正直、「こんな進捗で大丈夫かなぁ?」と思ったんです。
ついつい仕事の感覚で現場を見ちゃうんですよね。
店舗の場合、かなり限られた時間の中での施工なので人間たくさんいれて
嵐のような勢いでつくるんです。
仮囲いから始まり解体〜軽鉄ボード〜設備〜左官〜ガラス〜金物〜木工等々
ひと区画の中で何工種もの職人が交錯する事もめずらしくありません。
実際にはありえませんがこの秋谷の改修を仮に店舗の環境で作ったならば
2週間半でしょう。
おそらく投入する人工(人の作業単位です)は3倍、かかる金額も2倍でしょう。
しかし、ここは店舗ではないのでオープンの日が決まっている訳でもなく、
売上の予定を組んでいる訳でもなく・・・全然急ぐ必要ないんです。
ゆっくりしっかり作ってもらえばいいんです。
ローンの返済と今の賃貸の家賃がダブってますけど、1ヶ月の家賃分で
とてもクオリティーが上がると考えたらどうでしょう?
なんか得した気分になるのは私だけでしょうか?
築40年の木造2階建なんです。かなりガタがきてるんです。
でもそこがいいんで決めたんです。味があるなぁ・・・と。
大工の棟梁にも「面白そうな仕事だから引き受けた」と言っていただいて
いい事しかイメージしてなかったんですが、実際はイメージ以外の事もあります。
トイレになる所に腰窓を新しくアルミサッシュでつけたんですが、なんだかひどく傾いているんです。
もともと天井に近い所に古い小窓がついており、その小窓と全然平行がとれていなく
棟梁にクレームじみた事言って、あとで後悔したんですが
実は、地盤が長い年月で沈下しており建物がひどく傾いていたんですね。
傾いていたのは新しいサッシュでなく既存の小窓だったんです。
思い込みで見てしまっていた自分を恥ずかしく思いました。
この家に最初に入ったときにすこし傾いてるなとは思っていましたが(ホントです)
ここまでとは・・・
既存の小窓に合わせてサッシュを傾かせると新規の床や新規の建具と合わなくなる。
既存で残している壁や柱等も少なからずすべてが傾いているんですね。
なので、新しく付け加えていくものとの共存をはかるためにその全てに
つじつま合わせが必要なのです。
そしてそのつじつま合せに大変な労力と時間を要するんです。
このつじつま合わせで全てが決まるといっても過言ではありません。
この愛くるしい小窓はその後、新しい壁のトリックラインで傾きが目立たなくなりました。
棟梁ありがとう。
kamo